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石鹸はなぜ環境にやさしいのか

石鹸はなぜ環境にやさしいのか

石鹸はなぜ環境にやさしいのか

排水への影響が少ない
石鹸は広い意味で洗剤と同じ仲間です。陰イオン界面活性剤の力で汚れを落とすという原理は同じです。

ちなみに洗剤には石鹸のほか、合成洗剤、複合石鹸(石鹸と合成洗剤を合わせたもの)があります。石鹸は油由来の脂肪酸にアルカリを作用させて作ります。その油が食用油と同じものを使っているので、安全であるイメージが強く、環境への影響も小さいと認識されています。

では本当に環境に優しいのでしょうか。

石鹸は条件によって界面活性能力(つまり洗浄力)を失いやすいという特徴を持っています。これは一見、欠点のようにも見えますが、洗浄力を発揮してくれた後には速やかに洗浄力を失ってくれたほうが、排水などへの影響も小さくてすみます。とくに水で薄まると速やかに洗浄力を失います。

ですから、すすぎの際の水の量も少なくてすみますし、環境負荷は低いと言えます。ただし、石鹸は水分中に含まれるミネラルと反応して、「石鹸カス」というものを生じます。

手洗いシンクなどが白い結晶のようなもので汚れている場合、その原因は石鹸カスである可能性があります。地域によって水分中のミネラルの含有量は異なりますが、多いところではこの石鹸カスの汚れが顕著になることがあります。ただ家庭で使うハンドソープ程度であれば量も多くないので、それほどナーバスになる必要はないでしょう。

製品タイプによって違う使用感
ちなみに、「ハンドソープ」という名称で販売されている商品には石鹸もありますが、合成洗剤タイプも複合石鹸タイプもあります。それらを総称してハンドソープと呼んでいます。

ソープ=石鹸と思われがちですが、ソープはもう少し広い意味で使われているのです。どれがよくてどれが悪いということはないのですが、使用感は異なります。石鹸タイプのハンドソープはすすぎ時間も短く、さっぱりとした洗い上がり感がありますが、合成洗剤タイプのものは、多少すすぎ時間を長く感じる一方、洗い上がりはしっとりしています。複合石鹸タイプはその中間といったところです。

合成洗剤は悪者か?

有害説はどこから出てきたか

合成洗剤はドイツで開発されました。合成洗剤は水分中のミネラルの影響を受けにくく、安定した洗浄力を発揮することができます。また、安価で大量に作ることができるため、第二次大戦後の日本でも石鹸に置き換わり、急激にその生産量は増えていきました。

しかし、1960〜70年代に河川の泡立ち、赤潮、富栄養化などが問題になったことから、「合成洗剤は石油で作られた化学物質で、環境や人体に害を及ぼす」「石鹸は天然の動植物油脂を使用して作られ、環境に優しく安全である」というイメージが定着してきました。合成という言葉のイメージもよくないようです。

今の合成洗剤は植物由来

確かに石油由来の原料で作られた合成洗剤もあり、とくに業務用の世界では様々な理由で今でも使われています。

しかし、一般家庭で使用されている合成洗剤(台所洗剤など)の原料はほとんどが植物由来であり、環境や人体に害を及ぼすことはなくなってきています(ただし、原料の安定供給のための大規模なプランテーションが熱帯雨林を破壊しているという別の問題はあります。)

また、微生物の発酵プロセスによって作られる天然の界面活性剤もあります。これは非常に環境影響の小さいものです。ただ商品の表示のルール上、「石鹸」と「合成洗剤」しか枠組みがないために、消費者から見ると区別がつきにくく、わかりにくいという問題もあります。また、人に対しての安全という点でも合成洗剤は批判されることがあります。

実際に合成洗剤のほうが肌に影響を受けやすい人もいますが、逆に、医療現場ではアルカリ性の石鹸では手が荒れるため、弱酸性の手洗い洗剤を使用しているケースもあります。肌関連のトラブルは個人の体質や体調、洗剤の種類、使用頻度やその量などの環境などによって変化するため、「合成洗剤=悪いもの」とは言い切れません。その中身がどういうものなのかをメーカー側ではしっかりと説明し、消費者側では興味を持つことが大切です。

野菜や果物洗浄用の石鹸や洗浄剤について

野菜や果物洗浄用の石鹸や洗浄剤

近年では、なんと野菜や果物を洗浄するための石鹸や洗浄剤が多く出回っている。目的は、農薬除去である。

企業もポジティブなイメージを消費者にうえつけるため必死である。「エコ」「やさしい」などなど。地球のイラストやあかちゃんのかわいらしい写真で必死に訴えかけている。

野菜や果物などの農作物に付着した農薬を落とす方法で石鹸や洗剤などよりグッと効率的なものがある。それはオゾン水である。オゾン水の高い殺菌効果を利用してその水で野菜や果物を洗うのだ。オゾンは数分〜数十分で酸素に戻り無害化されることから、これなら「石鹸」や「洗浄剤」「洗剤」などと呼ばれているものよりよっぽど効果が高く信頼できるだろう。

是非、試していただきたいと思う。