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成長の足枷となる環境問題

成長の足枷となる環境問題

18世紀から19世紀にかけてヨーロッパで起きた産業革命以降、現在の先進国を中心に飛躍的に経済成長が進みました。この飛躍的な経済成長は、世界的に工業の発展や都市化の拡大、急激な人口増加をもたらしています。同時に、大気、水質、土壌などの汚染、廃棄物の増加、自然環境の消失などの問題が深刻化し、公害問題の発生により、人間の健康を脅かすことになりました。日本でも1950年代からの高度成長にともない、大気や水質の汚染による深刻な公害問題が発生し、大きな健康被害が発生しています。

その後、先進国を中心として環境問題に取り込むための制度の整備や技術開発が進むことで、徐々に環境改善が図られるようになりました。しかし、これで環境問題は解決されたわけではありません。特に開発途上国などでは、今後の経済発展とともに先進国が経験したような環境問題に取り組む必要があります。また、人類は地球温暖化や生物多様性の損失といった地球環境問題に直面しています。

地球温暖化や生物多様性の損失は、地球全体の気候や自然環境へ影響を及ぼすことから、人類の生存基盤を損なうことに通じる問題です。したがって、これらの問題が世界経済に及ぼす影響も大きく、今後の成長の制約となる可能性があります。

たとえば、地球温暖化については、このまま何の対策もとらなければ、最悪の場合、2050年には世界の平均気温が5〜6℃上昇することで世界的な気候変動が発生し、世界経済はGDPの約20%の損失を被るとの予測があります。また生物多様性保全については、保全のための追加的な対策を行わない場合には、人類が生態系サービスとして受ける経済的な価値が損なわれ、その損失は2050年には世界のGDPの7%になるとの予測もあります。

環境問題が深刻化することに対処するためには、経済成長のスピードを減速させれば良いのでしょうか。問題はそう簡単ではありません。世界では特に途上国を中心に、貧困の解消に向けて経済的な成長が必要とされています。つまり、経済成長と環境問題への対応の両立が求められているのです。

環境と成長の両立の必要性については、国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」が1987年に提唱した「持続可能な開発」という考え方にも示されています。

これは、「貧困の解消に向けて、特に発展途上国は今後とも大きな経済発展を必要としている。しかし、世界の経済活動による地球環境へのダメージは、将来世代に必要な経済活動に支障をきたさない範囲でなければならない」という内容です。

今後は、世界各国が「持続可能な開発」を進める必要がありますが、環境問題への対処にはコストがかかります。先進国はともかく、途上国にはこのコスト負担が重く、今後の経済発展を阻害するのではないかという声もあがっています。

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