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地球温暖化は暖かくなって良いことではないのか?

地球温暖化は暖かくなって良いことではないのか?

地球温暖化

地球温暖化は暖かくなって良いことではないのか?

寒い冬から春になって、花が咲くと幸せな気分になり、ふりそそぐ太陽の暖かさをありがたく感じるのは誰もが同じだと思います。そんなとき、「地球温暖化は良いことではないのか」と思ったりしませんか?

おまけに地球温暖化の主要因であるCO2は光合成に必要なものなので、大気中のCO2が増えると植物の生育が良くなります。(実際に温室では植物の生育のため、燃料を燃やして作った電力、熱に加えてCO2を供給しています)地球温暖化は良いことずくめのような気がするかもしれません。

実はこのような「地球温暖化有益説」は真新しくありません。主として温暖化による寒冷地域の利用が可能になること及びCO2が増えることが植物の生育に好適であることを論拠として、地球温暖化が有益であると主張する人たちがいます。なかには地球温暖化により海流が海面まで上昇して魚類資源が豊富になるとする意見もあります。

これらの説は完全に誤りだとはいえないでしょう。しかし、以下の点で疑問符がつけられます。

まず、主張されている有益な影響は局所的なものが少なくありません。地球温暖化により、確かに寒い地域は暖かくなりますが、暑い地域はもっと暑くなるでしょう。また海流の湧昇は全世界的に広く起こることはありません。全体的には、地球温暖化の弊害は便益を大きく上回ると考えられています。

次に、有益とされている現象は地球温暖化の他の影響を無視しています。CO2濃度の増加は、それだけみれば確かに植物の生育にはいいのでしょうが、CO2濃度の増加に伴う地球温暖化、及びそれにより引き起こされる降水量の変化などの影響を考えていません。CO2濃度が増加しても降水量が減少すれば、植物の生育にはむしろマイナスになります。

また海流の湧昇による富栄養化が起こることもあるかもしれませんが、増加するCO2濃度が海水に溶け込むことにより海水が酸性化するおそれがあります。これも魚の生育にはマイナスであることはいうまでもありません。

温暖化のスピードも問題 

仮に地球温暖化の影響が局所的にせよ人間にとって有益であったとしても、動植物はその急激な変化に適応できないことがあげられます。動植物はさまざまな環境条件に適応して進化してきましたが、その過程には何万年、何十万年あるいはそれ以上の長い年月を要しました。ところが現在起こっている温室効果ガスの蓄積、そしてそれにより想定される地球温暖化は、地球の歴史上かつて例をみないほどのスピードで起こっています。

したがって、たとえば寒帯の温暖化に伴い、現在寒帯に住んでいる生物が温暖化に適応するのではなく、適応しきれずに絶滅する可能性もあるでしょう。仮にある生物が適応できたとしても、その生物がエサとしている別の生き物が適応できなかったとすれば、食物連鎖全体に影響するでしょう。また日本での生活に的を絞ると、最大の脅威はマラリアのような熱帯病の北上ではないかと思われます。

こう考えると、地球温暖化にはまったくメリットがないと断言できないにしても、地球温暖化が有益であることを前提にすることは非常に危険なことが分かります。

成長の足枷となる環境問題